ICL/IPCL

ICLとレーシックはどっちがいい?違い・費用・安全性・向いている人を解説

メガネやコンタクトレンズの手間から解放されたいと考えたとき、候補に挙がるのがICL(有水晶体眼内レンズ)とレーシックです。

しかし、いざ調べ始めると「費用が高くてもICLの方がいいのか」「レーシックで角膜を削るのが心配」「でも眼の中にレンズを入れる手術も怖い」「結局自分にはどちらが合っているのだろう」と悩み、迷ってしまう方が少なくありません。

結論からお伝えすると、ICLとレーシックはどちらも近視や乱視を矯正する優れた手術ですが、仕組みや特徴が根本的に異なります。ICLは目の中に小さなレンズを挿入する方法であり、レーシックはレーザーで角膜の形を変える方法です。

どちらか一方の手術がすべての人にとって優れているわけではありません。強度近視の方や角膜が薄い方はICLが候補になりやすく、軽度から中等度の近視で角膜に十分な厚みがあり費用を抑えたい方はレーシックが候補になることがあります。手術する場所が異なるため、起こり得るリスクの種類も違います。

この記事では、ICLとレーシックの仕組み、メリット・デメリット、費用やリスクの違いを分かりやすく比較しました。最後まで読むことで、ご自身の目の状態や生活スタイルに合わせた判断軸が整理できるようになります。

  1. 結論|ICLとレーシックは目の状態によって向き・不向きが異なる
    1. 強度近視や角膜が薄い人はICLが候補になりやすい
    2. 軽度から中等度近視ではレーシックが候補になる
    3. どちらが安全かではなくリスクの種類が違う
    4. 適応検査を受けるまではどちらがよいか決められない
  2. ICLとレーシックの違いを比較表で確認
  3. ICLとは?メリット・デメリットを解説
    1. ICLは目の中にレンズを入れる視力矯正手術
    2. ICLの主なメリット
    3. ICLの主なデメリット
    4. ICLが適応にならないケース
  4. レーシックとは?メリット・デメリットを解説
    1. レーシックは角膜の形をレーザーで変える手術
    2. レーシックの主なメリット
    3. レーシックの主なデメリット
    4. レーシックが適応にならないケース
  5. ICLとレーシックの違いを7項目で比較
    1. 手術方法と元に戻せる可能性
    2. 適応できる近視・乱視の違い
    3. 術後の見え方と視力の安定性
    4. ドライアイへの影響
    5. 手術後の回復と日常生活
    6. 費用と保証内容
    7. 将来の老眼・白内障への影響
  6. ICLとレーシックはどちらが向いている?
    1. ICLが向いている可能性がある人
    2. レーシックが向いている可能性がある人
    3. 生活スタイルも選択に影響する
    4. 40代以降は老眼と白内障も確認する
  7. ICLとレーシックで後悔しないためのポイント
    1. 費用だけで決めない
    2. 術後の見え方に完璧を求めすぎない
    3. メリットだけでなく両方のリスクを確認する
    4. 適応外なら手術を勧めない医療機関を選ぶ
  8. 大沢眼科のICL治療
    1. 目の状態を確認してICLの適応を判断
    2. 院長が診察から手術、術後検診まで担当
    3. ICLが適していない場合も含めて判断
    4. 池袋で術後検診を継続しやすい
  9. ICLとレーシックに関するよくある質問
    1. ICLとレーシックはどちらが安全ですか?
    2. ICLとレーシックはどちらがよく見えますか?
    3. 費用が安いのはどちらですか?
    4. 強度近視にはどちらが向いていますか?
    5. ドライアイがあっても受けられますか?
    6. 乱視も同時に矯正できますか?
    7. 手術後に近視が戻ることはありますか?
    8. ICLは本当に取り外せますか?
    9. 老眼になったらどうなりますか?
    10. 将来、白内障手術は受けられますか?
  10. まとめ|ICLとレーシックは適応検査を受けて選ぼう

結論|ICLとレーシックは目の状態によって向き・不向きが異なる

「ICLとレーシックのどちらを受けるべきか」という疑問に対する答えは、一人ひとりの目の状態や希望によって変わります。それぞれの特性を正しく理解することが第一歩となります。

強度近視や角膜が薄い人はICLが候補になりやすい

近視の度合いが強い「強度近視」の場合、レーシックで視力を出そうとすると角膜を深く削る必要があります。しかし、角膜を削りすぎると術後の角膜の強度が保てなくなるリスクがあるため、元々の角膜が薄い方や強度の近視・乱視がある方はレーシックを受けられないケースがあります。

一方、ICLは角膜を削らずに目の中の空間(虹彩という茶目の後ろ、または前)へレンズを挿入して視力を矯正します。角膜の厚みや形状にほとんど影響されないため、強度近視の方や角膜が薄いと言われた方でも選択肢に入りやすくなります。ただし、ICLを受けるには「レンズを安全に入れるための目の中のスペース(前房の深さ)」や、角膜の健康を保つ「角膜内皮細胞の数」が十分にあることが条件となります。

軽度から中等度近視ではレーシックが候補になる

近視の度合いが比較的軽度から中等度で、角膜の厚みがしっかりある場合は、レーシックが有力な選択肢になります。

レーシックは歴史が長く症例数も豊富な治療法です。ICLに比べて費用を抑えやすい傾向があり、特注レンズを取り寄せる待ち時間が発生しないため、適応検査から短期間で治療を進めやすいというメリットがあります。

ただし、レーシックで一度削った角膜は元の形に戻せません。また、角膜の表面を処置するため、術後に一時的なドライアイ症状が起きやすい点には留意が必要です。

どちらが安全かではなくリスクの種類が違う

ネット上で「ICLの方が安全」「レーシックはリスクが高い」といった極端な意見を見かけることがありますが、一概にどちらが安全と断定することはできません。なぜなら、手術を行う「場所」が異なるため、起こり得るリスクの種類そのものが違うからです。

レーシックは角膜の表面(目の外側)を処置するため、フラップ(角膜に作る薄いフタ)に関するトラブルやドライアイ、角膜の形状変化に伴うリスクが中心となります。対するICLは目の内側を開ける「眼内手術」であるため、非常に稀ですが眼内感染症や眼圧の上昇、将来的な白内障の進行、角膜内皮細胞への影響といったリスクが存在します。

安全性を一つの数字や印象だけで判断するのではなく、どのようなリスクがあり、それが自分の許容できる範囲にあるかを考えることが重要です。

適応検査を受けるまではどちらがよいか決められない

自分にはどちらの手術が合っているかを自力で判断することは困難です。「目の良さ」や「近視の度数」だけでは適応が決まらないからです。

眼科では、以下のような多角的な検査を実施して総合的に判定します。

  • 角膜の厚みと形状(レーシックで安全に削れるか)
  • 近視・乱視の度数と安定性(最近度数が進んでいないか)
  • 前房の深さ(目の中にレンズを入れる空間があるか)
  • 角膜内皮細胞の密度(角膜の透明度を維持する細胞が十分か)
  • 涙の量と質(重度のドライアイがないか)
  • 白内障や緑内障など、他の目の病気の有無
  • 年齢や生活スタイル(夜間運転の頻度や手元を見る作業の多さ)

どのような治療法が選択肢になるかは、精密検査を受けて初めて明らかになります。

ICLとレーシックの違いを比較表で確認

ICLとレーシックの主な違いを理解できるよう、項目ごとに整理しました。

比較項目ICL(有水晶体眼内レンズ)レーシック(LASIK)
矯正方法目の中にレンズを挿入するレーザーで角膜を削りカーブを変える
手術する場所目の内側(前房または後房)目の表面(角膜)
角膜を削るか原則削らない削る
強度近視への対応幅広く対応可能削る量が足りず適応外になることがある
角膜が薄い場合受けられる可能性が高い受けられない場合がある
乱視への対応乱視用レンズ(トーリック)で対応レーザー照射で同時に矯正
可逆性必要に応じてレンズの摘出・交換を検討可一度削った角膜は元に戻せない
費用相場(両眼)約40万〜80万円程度(高額になりやすい)約20万〜40万円程度(抑えやすい)
ドライアイ影響は比較的少ないとされる術後一時的に生じやすい
ハロー・グレア生じる可能性がある(環状の光など)生じる可能性がある(光の広がりなど)
主なリスク眼内感染、眼圧上昇、白内障、角膜内皮減少ドライアイ、フラップトラブル、角膜拡張症
視力の回復翌日〜数日で実感する人が多い翌日〜数日で実感する人が多い
術後検診長期的な経過観察が必要術後一定期間の定期検診
老眼への影響老眼そのものは防げない老眼そのものは防げない
将来の白内障手術レンズを取り外して白内障手術を実施実施可能(度数計算に過去データが必要)
向いている可能性強度近視、角膜が薄い、ドライアイが気になる軽〜中等度近視、角膜が厚い、費用を抑えたい

この比較表の○や×の数だけで優劣を決定することはできません。たとえば「レンズを取り外せる(可逆性がある)」という点はICLのメリットですが、取り外すためにも眼内手術というリスクを伴う再手術が必要です。双方の特徴を正しく捉えましょう。

ICLとは?メリット・デメリットを解説

まずはICL(Implantable Collamer Lens:有水晶体眼内レンズ挿入術)の仕組みと、知っておくべき長所・短所を解説します。

ICLは目の中にレンズを入れる視力矯正手術

ICLは、ソフトコンタクトレンズのような柔らかい素材で作られた小さなレンズを目の中に入れて、視力を矯正する治療です。

目の中には、光の量を調節する「虹彩(茶目の部分)」や、ピントを合わせる「水晶体」という組織があります。ICLでは、虹彩の後ろ側と水晶体の間の狭いスペースにレンズを固定します。

日常で使うコンタクトレンズのように自分で出し入れしたり、洗ったりする必要はありません。目の中に入れたレンズは長期間にわたってそのまま維持され、異物感も基本的にありません。

ICLの主なメリット

ICLを選択する主な利点には、次のようなものがあります。

  • 角膜を削らないため見え方の質が保たれやすい:角膜本来の形を維持できるため、光の乱反射などが起きにくく、鮮やかな見え方を得やすいとされています。
  • 強度近視や角膜が薄い人でも受けられる:角膜の厚さに依存しないため、レーシックの適応外となった方でも治療を受けられる可能性があります。
  • ドライアイ症状が出にくい:角膜表面の神経をほとんど傷つけないため、術後に涙の分泌量が減って目が乾くリスクを低く抑えられます。
  • 万が一の際にレンズを取り外せる:将来的に別の目の病気が発生した際や、度数が大きく変化した際に、医師と相談のうえでレンズの摘出や交換を検討できます。

毎日のコンタクトレンズの着脱や手入れ、旅行時のケア用品の持ち運びといったストレスから解放される点も、生活上の利点となります。

ICLの主なデメリット

メリットがある一方で、ICLには以下のような懸念点もあります。

  • 眼内手術に伴うリスクがある:目の表面ではなく内側を処置するため、頻度は極めて低いものの眼内感染症(眼内炎)などの重大な合併症に注意が必要です。
  • 白内障や眼圧上昇の可能性:レンズと水晶体が接触することで白内障が進んだり、目の中の水(房水)の流れが妨げられて眼圧が上がったりすることがあります。
  • 費用が比較的高額:一人ひとりの目に合わせた医療機器(レンズ)を使用するため、レーシックよりも手術費用が高くなる傾向があります。
  • レンズ取り寄せに時間がかかる:度数や乱視の有無によっては特注レンズとなり、適応検査から手術までに数週間〜数ヶ月待つ場合があります。

なお、「レンズを取り外せる」という点について、簡単に出し入れできると誤解されることがあります。摘出には再び目を切り開く手術が必要であり、目への負担やリスクが伴うことを理解しておきましょう。

ICLが適応にならないケース

次のような状態に該当する場合、ICL手術を受けられない可能性があります。

  • 前房が浅く、目の中にレンズを安全に配置する十分なスペースがない
  • 角膜内皮細胞(角膜の透明性を保つ細胞)の数が少ない
  • すでに白内障が進行している、または緑内障や強い眼内炎症がある
  • 近視の度数がまだ安定していない(年々進行している)
  • 妊娠中や授乳中である(ホルモンバランスの影響で度数が変動しやすいため)

これらはご自身の判断では分からないため、眼科での精密検査が不可欠です。

レーシックとは?メリット・デメリットを解説

続いて、レーシック(LASIK:Laser In Situ Keratomileusis)の仕組みと特徴について解説します。

レーシックは角膜の形をレーザーで変える手術

レーシックは、角膜にレーザーを照射してそのカーブ(湾曲具合)を変え、ピントの位置を網膜へ正しく合わせる治療法です。

手術では、まず角膜の表面に「フラップ」と呼ばれる薄いフタのような部分を作ってめくります。その下の角膜実質という部分にエキシマレーザーを照射して角膜を削り、形を整えたあとにフタを元に戻します。

例えるなら、角膜という生体のレンズそのものを削って、眼鏡やコンタクトレンズと同じ役割を持たせる仕組みです。

レーシックの主なメリット

レーシックには、長年にわたる実績と以下のような強みがあります。

  • 費用を抑えやすい:レンズ素材などの取り寄せ費用がかからないため、ICLと比較して治療費を低く抑えられる傾向があります。
  • 手術時間や回復が早い:手術自体は両眼で数分〜十数分程度で終わり、多くの人が翌日には視力の変化を実感します。
  • 目の中に異物を入れない:眼内手術ではないため、レンズの位置ズレや目の中の感染症といったリスクはありません。
  • 豊富な症例データが存在する:世界中で長年行われてきた術式であり、治療結果や安全性に関するデータが豊富に蓄積されています。

仕事や家事で忙しく、できるだけ費用を抑えて短期間で視力を回復させたい方にとって魅力的な選択肢となります。

レーシックの主なデメリット

事前に把握しておくべき注意点は以下の通りです。

  • 削った角膜は元に戻らない:一度切り取って整えた角膜の組織は二度と再生しません。元通りの状態に戻す「可逆性」はありません。
  • 術後にドライアイが起きやすい:フラップを作成する際に角膜の知覚神経を切断するため、一時的に涙が出にくくなり、目の乾燥感を強く感じることがあります。
  • ハロー・グレア現象の発生:暗い場所で光の周辺がボヤけたり(ハロー)、光が刺すように眩しく感じたり(グレア)する症状が出ることがあります。
  • 角膜が薄い・強度近視の場合は受けられない:残せる角膜の厚さには安全基準があるため、近視が強すぎる人や元々角膜が薄い人は適応外となります。

レーシックが適応にならないケース

以下のような場合には、レーシックの適応外となる可能性が高くなります。

  • 角膜の厚みが足りず、削った後に十分な安全域を残せない
  • 角膜が円錐状に突き出てしまう病気(円錐角膜)や、その疑いがある
  • 近視や乱視の度数が非常に強い
  • 重度のドライアイや角膜の病気がある
  • 18歳未満である、または近視の進行が止まっていない

ICLとレーシックの違いを7項目で比較

ここからは、多くの方が疑問に感じる具体的な違いを7つの視点から掘り下げます。

手術方法と元に戻せる可能性

根本的な違いは「角膜を削るか」「目の中にレンズを入れるか」です。

ICLは角膜を削らず、約2〜3mm程度の小さな切れ目からレンズを挿入します。将来的に何らかの事情で視力が変化した際や、白内障の手術が必要になった際には、レンズを取り出す選択肢が残されています。

レーシックは角膜にフラップを作り、レーザーで角膜組織を削ります。手術後に万が一見え方に不満があっても、削った角膜を元の厚みに戻すことは不可能です(条件が整えば追加で削る再矯正が可能な場合もあります)。

適応できる近視・乱視の違い

ICLは強い近視(強度近視)であっても、レンズの度数を調整することで柔軟に対応できます。乱視に対しても、乱視の軸に合わせた「トーリックICL」を使用することで矯正が可能です。

レーシックも乱視の矯正は可能ですが、近視や乱視が強くなればなるほど、角膜を削る量が増加します。そのため、安全基準を超えるような強度近視・重度乱視の場合は、レーシックを受けられないことがあります。

なお、具体的な対応度数は個人の角膜の厚さによって変わるため、「近視度数〇〇以上は全員ICL」と一概に決めつけることはできません。

術後の見え方と視力の安定性

手術直後から数日かけて、双方とも劇的に視力が向上します。朝起きた瞬間から周囲がクリアに見える体験は、どちらの手術でも得られる大きな変化です。

見え方の質において、ICLは角膜のカーブをそのまま保つため、光の屈折の乱れ(高次収差)が増えにくく、コントラスト感度(明暗のくっきり感)に優れていると評価されることがあります。夜間のドライブや、暗い飲食店・映画館といった環境でもクリアな視界を得やすい特徴があります。

レーシックでも良好な視力が得られますが、夜間に信号機や対向車のライトを見ると、光の周囲に輪がかかったように見える「ハロー」や、光がギラついて見える「グレア」を感じることがあります。これらの症状は時間の経過とともに落ち着いていくことが多いですが、夜間の運転が多い仕事をしている方は注意が必要です。

ただし、ICLであってもレンズの中央にある小さな穴に光が反射して、輪っかのような光が見える現像(リングハロー)を感じる場合があります。どちらの手術でも、見え方が完璧になるわけではないことを理解しておきましょう。

ドライアイへの影響

パソコン仕事が多い方や、日常的にコンタクトレンズで目が乾く方にとって、ドライアイへの影響は重要な比較ポイントです。

レーシックでは、角膜の表面を削ってフラップを作るプロセスで知覚神経が切断されます。神経が傷つくと目からの「涙を出せ」という指令が伝わりにくくなり、術後数ヶ月〜半年程度は目が乾きやすくなります。多くは時間の経過とともに神経が回復し改善しますが、元々強いドライアイがある方は注意が必要です。

ICLは角膜の端をわずかに切開するだけであるため、角膜神経への影響が最小限に抑えられます。そのため、術後にドライアイが悪化するリスクはレーシックよりも低いとされています。

手術後の回復と日常生活

術後の生活制限については、目への負担や感染症予防の観点から細かく定められています。以下は一般的な再開時期の目安です。

生活項目術後の再開目安(一般的な傾向)
デスクワーク・スマホ翌日〜(目を乾燥させないよう適度に休憩を取る)
車の運転視力が安定し、医師の許可が出てから(翌日検診以降)
洗顔・洗髪術後数日間は不可(顔は拭く程度、首から下のシャワーのみ)
入浴・湯船術後1週間程度は控える
アイメイク術後1〜2週間程度は控える
飲酒術後数日間〜1週間程度は控える
軽い運動(ジョギング等)術後1〜2週間後から
激しい運動・球技・水泳術後1ヶ月後から(医師の確認が必要)
目をこする行為厳禁(特にレーシックのフラップズレ、ICLの位置ズレ防止)

具体的な制限期間はクリニックの方針や術後の経過によって異なるため、必ず執刀医の指示に従ってください。

費用と保証内容

費用面においては、レーシックの方が手頃であり、ICLは高額になるのが一般的です。

ICLが高額になる主な理由は、海外の専門メーカーから個人の目のデータに合わせた精密なレンズを個別調達するためです。さらに、万が一乱視が強い場合は乱視用レンズの追加費用がかかることもあります。

一方、レーシックは医療機器(レーザー装置)の維持費などが中心となるため、全体として価格が低く設定されています。

なお、どちらの手術も「公的医療保険」は適用されず、全額自己負担の自由診療となります。ただし、条件を満たせば「医療費控除」の対象となり、確定申告によって所得税や住民税の軽減を受けられる可能性があります。また、ご自身が加入している民間の生命保険・医療保険によっては「手術給付金」が支払われる場合もありますので、事前の確認をおすすめします。

将来の老眼・白内障への影響

「手術を受けると将来老眼にならないか」「白内障の手術が受けられなくなるのでは」という不安の声もよく聞かれます。

まず、ICLを受けてもレーシックを受けても、老眼を防ぐことはできません。老眼は年齢とともに目の中の水晶体が硬くなり、ピントを合わせる筋力が衰える自然な生理現象です。近視を矯正して遠くがよく見えるようになると、40代以降に手元の見えにくさを自覚しやすくなることがあります。

将来白内障になった場合、ICLであれば挿入していたレンズを取り外したうえで、一般的な白内障手術(濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れる手術)を行います。

レーシックを受けた方でも白内障手術を受けることは可能です。ただし、レーシックによって角膜のカーブが変わっているため、白内障手術で入れるレンズの度数計算が通常より複雑になります。将来に備えて、レーシックを受けた際の術前・術後の角膜データや手術記録を大切に保管しておくことが推奨されます。

ICLとレーシックはどちらが向いている?

ここまでの特徴を踏まえ、それぞれの施術がどのような人に適しているかの目安をまとめました。

ICLが向いている可能性がある人

  • 近視や乱視の度数が強く、強度近視と診断されている
  • 角膜の厚みが薄く、レーシックは難しいと言われた
  • 普段からドライアイに悩まされており、目を乾かしたくない
  • 角膜を削って不可逆な変化を加えることに抵抗感がある
  • 夜間の見え方の質(コントラスト)を重視したい
  • 万が一の際にレンズを取り外せる選択肢を残しておきたい

これらに当てはまる場合は、ICLが第一候補となる可能性があります。

レーシックが向いている可能性がある人

  • 近視の度が軽度〜中等度で、極端に強すぎない
  • 適応検査で角膜に十分な厚みと正常な形状があると確認できた
  • できる限り手術費用を抑えたい
  • 目の中にレンズという異物を入れることに不安や抵抗がある
  • レンズの取り寄せ期間を待たず、早めに治療を完了させたい

予算や手術への心理的ハードルを優先したい場合、条件が整っていればレーシックは非常に合理的な選択肢となります。

生活スタイルも選択に影響する

仕事環境や趣味も考慮に入れる必要があります。

たとえば、夜間に長距離運転をするドライバーや、暗所での精密作業が多い方は、ハロー・グレアの生じにくさやコントラスト感度の観点からICLを検討することがあります。一方、格闘技や顔に強い衝撃を受ける可能性があるスポーツをする方は、レーシックのフラップがズレるリスクを考慮してICLを選択する、あるいはどちらの手術も避けるといった判断が行われます。

ご自身の日常生活でどのような視界を最も重視したいかを医師に明確に伝えることが大切です。

40代以降は老眼と白内障も確認する

30代後半から50代の方が視力矯正を検討する場合、単に近視を治すだけでなく「老眼」や「初期の白内障」の存在を無視できません。

近視を完全に矯正すると、これまでメガネを外せば見えていた手元の文字が見えづらくなり、かえって老眼鏡が必要になるケースがあります。また、50代以降で水晶体の濁り(白内障)が始まっている場合、今ICLやレーシックを受けるよりも、近視と老眼を同時に矯正できる「多焦点眼内レンズを用いた白内障手術」を待つ方が適切な場合もあります。

年齢に応じた目の変化を見据えて、最適な治療時期を見極める必要があります。

ICLとレーシックで後悔しないためのポイント

手術を受けた後に「こんなはずではなかった」と後悔しないために、以下の4つのポイントを意識してください。

費用だけで決めない

費用面だけで安易に治療法を選ぶのは避けましょう。「高いからICLの方が優れている」「安いからレーシックは危険」といった単純な比較は不正確です。

提示されている金額に、術前の精密検査代、処方薬代、術後一定期間の定期検診代、万が一の再手術保証などが含まれているかを確認し、トータルでの費用と提供される医療の質を考慮して判断してください。

術後の見え方に完璧を求めすぎない

視力矯正手術を受けると、「視力が1.5や2.0になり、光の眩しさも一切なくなり、一生完璧な目が手に入る」という過度な期待を抱いてしまいがちです。

しかし、実際にはわずかな乱視が残ったり、体調や光の加減によって見え方が揺れ動いたりすることがあります。暗所でのハロー・グレア現象が完全にゼロになるとも限りません。手術の目的は「メガネやコンタクトレンズへの依存度を大きく減らし、快適な生活を送る状態を作ること」であると認識しておくと、術後の満足度が高まります。

メリットだけでなく両方のリスクを確認する

特定の治療法のメリットばかりに目を向けるのではなく、選ばなかった方の治療法の利点や、選ぶ方の治療法のデメリット・合併症リスクについてもしっかり説明を受けましょう。双方の術式を客観的に評価し、理解したうえで納得して決めることが後悔を防ぐ鍵となります。

適応外なら手術を勧めない医療機関を選ぶ

信頼できる眼科クリニックは、患者が希望したとしても、検査結果でリスクが高いと判明した場合は「手術をお勧めできない」「適応外です」とはっきり伝えます。

良い点ばかりを強調するのではなく、リスクや適応外となる理由を明確に説明してくれるか、術後のアフターフォロー体制や追加矯正の基準が透明化されているかといった点をしっかり確認してクリニックを選んでください。

大沢眼科のICL治療

東京都池袋にある「大沢眼科」では、患者様一人ひとりの目の健康を第一に考えた視力矯正医療を提供しています。

目の状態を確認してICLの適応を判断

当院では、ICLをご検討の患者様に対して詳細な適応検査を行っています。

単に近視や乱視の度数を測るだけでなく、角膜の厚みや形状、目の中の空間の深さ(前房深度)、角膜内皮細胞の数、水晶体の状態などを精密に測定します。これらのデータを厳密に評価し、ICLを安全に実施できる条件が整っているかを慎重に見極めます。

院長が診察から手術、術後検診まで担当

当院では、専門の資格を持った院長が一括して患者様の診療を担当いたします。

初診時のカウンセリングや適応検査の診断から、実際のICL手術、そして術後の定期検診に至るまで、同一の医師が継続して経過を観察します。患者様の生活スタイルや目の微細な変化を把握したうえで一貫した診療を行えるため、不安や疑問に対してもきめ細やかな対応が可能です。

ICLが適していない場合も含めて判断

当院はICLの専門的な選択肢をご提示しておりますが、すべての方にICLを強要することはありません。

検査の結果、目の中のスペースが狭いなどICLのリスクが高いと判断された場合は、無理に手術を勧めず、適していない理由を包み隠さずお伝えします。メガネやコンタクトレンズの適切な処方、あるいは必要に応じた他の治療法の可能性も含め、患者様にとって最も安全で誠実な選択肢をご提案いたします。

池袋で術後検診を継続しやすい

ICL手術は、無事に完了したら終わりではありません。術後の感染症を防ぎ、レンズの位置や眼圧が正常に保たれているかを確かめるため、翌日・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後といった定期的な受診が欠かせません。

大沢眼科はターミナル駅である池袋駅からアクセスしやすい立地にあり、お仕事帰りや休日にも通院しやすい環境を整えています。手術直後の繊細な時期から長期的な経過観察まで、安心して通い続けていただける体制をご用意しております。

ICLとレーシックに関するよくある質問

患者様からよく寄せられる疑問について回答します。

ICLとレーシックはどちらが安全ですか?

一概にどちらが安全と言い切ることはできません。レーシックは角膜表面の処置に関するリスク(ドライアイやフラップのトラブル等)があり、ICLは眼内手術に関するリスク(感染症や眼圧上昇等)が存在します。リスクの「場所」と「種類」が異なるため、精密検査に基づき、ご自身の目にとってリスクが低い方法を選択することが重要です。

ICLとレーシックはどちらがよく見えますか?

どちらの手術でも、多くの方が1.0以上の良好な裸眼視力を獲得できます。ただし、見え方の「質(くっきり感や夜間の見え方)」においては、角膜を削らないICLの方が高次収差が出にくく、鮮やかさを感じやすいと言われることがあります。見え方の感じ方には個人差があります。

費用が安いのはどちらですか?

一般的にはレーシックの方が費用を抑えられます。レーシックの費用相場が両眼で約20万〜40万円程度であるのに対し、ICLはオーダーメイドのレンズ代がかかるため両眼で約40万〜80万円程度となります。

強度近視にはどちらが向いていますか?

強度近視の方にはICLが向いているケースが多くなります。レーシックで強度近視を治そうとすると角膜を深く削る必要があり、安全基準を超えてしまうことがあるためです。ICLは角膜の削り量に依存しないため、強い近視でも対応しやすくなります。

ドライアイがあっても受けられますか?

軽度のドライアイであればどちらも受診可能な場合がありますが、強いドライアイがある方にはICLが推奨されることが多いです。レーシックは角膜の神経を切断するため一時的にドライアイが悪化しやすいのに対し、ICLは角膜表面への影響が少ないためです。

乱視も同時に矯正できますか?

はい、どちらの手術でも乱視の同時矯正が可能です。ICLでは乱視の度数と軸に合わせた「トーリックICL(乱視用レンズ)」を使用します。レーシックではレーザー照射のパターンを調整して角膜の歪みを補正します。

手術後に近視が戻ることはありますか?

どちらの手術を受けても、年月の経過や目を酷使する生活環境によって、わずかに近視が進行する可能性はゼロではありません。特にレーシックで強度近視を矯正した場合、角膜が少し戻ろうとする現象が起きることがあります。ICLはレンズで直接光を屈折させるため、構造上の近視戻りは少ないとされています。

ICLは本当に取り外せますか?

技術的にレンズを取り外す(摘出する)ことは可能です。ただし、取り外すためにも目を切り開く「再手術」が必要となります。簡単に着脱できるものではないため、原則として半永久的に入れ続けることを前提として手術を行います。

老眼になったらどうなりますか?

ICLやレーシックを受けても、加齢による老眼は避けることができません。40代以降に手元が見えづらくなった場合は、必要に応じて手元用の老眼鏡を使用するか、老眼対策の処方を検討することになります。

将来、白内障手術は受けられますか?

どちらの手術を受けていても、将来白内障手術を受けることは可能です。ICLの場合は、目の中に入れているレンズを取り出してから白内障手術を行います。レーシックを受けた方の場合は、事前にレーシックを受けた旨を医師に伝え、専用の計算式を用いて挿入する人工レンズの度数を決定します。

まとめ|ICLとレーシックは適応検査を受けて選ぼう

ICLとレーシックの違いや特徴について解説してきました。ポイントを振り返ります。

  • ICLは目の中にレンズを入れる手術。強度近視や角膜が薄い人、ドライアイが気になる人に向いており、必要に応じてレンズを取り出せるが、費用が高額になりやすい。
  • レーシックは角膜をレーザーで削る手術。軽度〜中等度近視で角膜に厚みがある人に向いており、費用を抑えやすく実績も豊富だが、削った角膜は元に戻らない。
  • どちらか一方が絶対的に優れているわけではなく、リスクの種類や適した目の条件が異なる
  • どちらの手術を受けても老眼を防ぐことはできず、将来の白内障手術への考慮が必要。

「費用が高いからICLにする」「周りがレーシックをしているからレーシックにする」といった安易な理由で決めるのではなく、ご自身の目の客観的なデータを知ることが何より大切です。

ICLとレーシックのどちらが合っているかは、近視の度数だけでは決まりません。角膜の厚みや形、目の中の広さ、年齢、普段の仕事や生活スタイルまで含めて総合的に考える必要があります。

迷っている段階であっても、まずは眼科で専門的な適応検査を受け、自分の目にはどのような選択肢が存在するのかを確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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