ICL(目の中に入れるコンタクトレンズの手術)を考えるとき、「手術をしたら目がキラキラ光ってしまうのかな?」「周りの人から見て不自然に見えないかな?」と不安になりますよね。
結論からお伝えすると、普段の生活で周りの人から見て「目が怪しく光る」「レンズが入っているとすぐわかる」ということはありません。
一方で、手術を受けたご自身の視界(見え方)において、「夜に街灯を見ると光の周りに輪っかが見える」「光が眩しく感じる」という現象が起きることがあります。
つまり、「周りからどう見えるか」と「自分からどう見えるか」は全く別の話です。この記事では、周りからの見え方や、自分の見え方で光の輪ができる理由を、わかりやすく解説します。
ICLをすると目が光る?他人からの見え方を解説

まずは、一番気になる「周りの人から見られたときに、目が光って見えるのか」についてお答えします。
ICL手術後に目が光るようになるのか
日常会話をするくらいの距離で、周りの人から「目が光っている」と思われることは、ほとんどありません。
ICLで使うレンズは、とても透明度が高く、目になじみやすい特別な素材で作られています。レンズは目の中の液体に包まれているため、外から見ても表面がキラキラ反射することは基本的にありません。
強い光が特定の角度から当たったときに、ごくごくわずかに光が反射する可能性はゼロではありません。しかし、これは普通のコンタクトレンズやメガネ、手術をしていないそのままの目でも起こることなので、目立つ心配はありません。
ICLレンズは外から見えるのか
周りの人から目を見つめられても、ICLレンズが見えることはありません。
なぜなら、レンズを入れる場所が「黒目の色のついた部分(虹彩:こうさい)」のすぐ後ろだからです。レンズは黒目の奥に隠れる形になるため、正面から見ても外からは見えません。
眼科医が診察室にある特別な顕微鏡を使って覗き込まない限り、外からレンズを見つけることはできないのです。そのため、周りの人に「ICLの手術をしたこと」がバレる心配はほとんどありません。
写真やフラッシュで目が光ることはある?
集合写真を撮るときや、暗い場所でカメラのフラッシュを浴びたときに、目の中のレンズが反射して光らないか心配な方もいるでしょう。
暗い場所でフラッシュを焚くと目が赤く写ることがありますが、これは目の中の血管が光って見える自然な現象です。ICLレンズが入っているからといって、写真撮影で目全体がヘンに光ったり、不自然な反射が写ったりすることは基本的にありません。
写真映りについても、術前と変わらないので安心してください。
ICL手術後に目が光って見えるといわれる理由

「目が光る」という噂があるのは、周りからの見え方ではなく、「自分自身の視界で光の輪が見える現象」が理由です。
ICLレンズが入る位置と仕組み
現在使われているICLレンズの真ん中には、目に見えないほど小さな穴(直径0.36ミリ)が開いています。この穴は、目の中の液体をスムーズに流して、目の病気を防ぐための大切な仕掛けです。
| 項目 | わかりやすい解説 |
| レンズが入る場所 | 黒目のすぐ後ろ(外からは見えない場所) |
| レンズの素材 | 水分を含んだ、目になじみやすい柔らかい素材 |
| 真ん中の小さな穴 | 目の中の液体を流し、病気を予防するための穴 |
| 見た目への影響 | 黒目の後ろに隠れるため、普段は誰にも見えない |
光がこの小さな穴のフチを通るときに、光の進み方が少しだけ曲がります。これが、ご自身の視界の中で「光の輪」として見えてくる原因です。
光の反射と「光の輪(ハロー・グレア)」の違い
混同しやすいですが、「周りからの見え方」と「自分からの見え方」は全く別物です。
- 周りからの見え方(反射):他人があなたの目を見たときのこと。外からはほぼ何も見えません。
- 自分からの見え方(ハロー・グレア):暗い場所で街灯を見たときに、光の周りに輪っかが見えたり(ハロー)、光が放射状に伸びて眩しく見えたり(グレア)する現象。
ICLの後に「光る」と言われるもののほとんどは、この自分から見える「光の輪や眩しさ」のことです。
【周りからの見え方】
他人があなたの目を見る ──> いつも通りの自然な目(レンズは見えない)
【自分からの見え方】
あなたが夜の街灯を見る ──> 光の周りに、薄い光の輪っかが見える
夜間に光の輪が見える仕組み
夜や暗い部屋に入ると、目はたくさんの光を取り込もうとして、黒目の真ん中にある「瞳(瞳孔)」を大きく広げます。
暗い場所で瞳が大きく広がると、レンズの真ん中にある「穴」を通る光と、「レンズのフチ」を通る光の境目ができます。その結果、夜の街灯や車のヘッドライトを見たときに、光の周りに輪っかのような光が見えるようになります。
これは目やレンズの故障ではなく、光の性質による自然な現象です。
ICL術後の光のまぶしさはいつまで続く?

視界の中で光の輪が見えたり、眩しく感じたりする場合、それがいつまで続くのか気になりますよね。
症状が落ち着くまでの目安
光の輪や眩しさは、手術を受けたすぐ後から数週間の間が一番感じやすい時期です。
その後、脳が「新しい見え方」に少しずつ慣れていくため、多くの場合は数か月(およそ1〜3か月くらい)かけて、徐々に気にならなくなっていきます。光の輪が完全に消えるわけではありませんが、「意識しなければ気にならないレベル」に落ち着く人がほとんどです。
ただし、慣れるまでの期間には個人差があります。暗い場所で瞳が広がりやすい体質の人や、光に敏感な人の場合は、慣れるまでに半年以上かかることや、光の輪がずっと残って見えることもあります。
長引く場合に考えられる理由
時間が経っても眩しさが強く気になる場合、次のような理由が考えられます。
- 暗い場所で瞳が大きく広がる体質:瞳が大きく開く人ほど、光の輪を感じやすくなります。
- 少しだけピントのズレが残っている:乱視などが少し残っていると、光がにじんで見えやすくなります。
- 目が乾燥している(ドライアイ):目の表面が乾いていると、光が不自然に散らばって眩しく感じます。
すぐに眼科へ行くべき危険なサイン
光の輪が見えること自体は自然な経過ですが、もし次のような症状が出た場合は、すぐに眼科を受診してください。
- 手術をしてしばらく経つのに、急に見えにくくなった
- 目に強い痛みやゴロゴロ感がある
- 白目が真っ赤に充血している
- 視界全体がかすんだり、一部が見えなくなったりしている
これらは通常の経過ではなく、目に炎症や急なトラブルが起きている可能性があるため、放置せず医師に見てもらう必要があります。
ICL術後に光がまぶしいときの対処法

見え方に慣れるまでの間、日常でできる工夫を紹介します。
日常生活で気をつけたいこと
手術後しばらくの間、夜の光が眩しく感じるときは、無理をせず目を守る工夫をしましょう。
部屋の電気の明るさをちょうど良く調整し、眩しい光を直接見つめないようにします。外出するときは、日差しの眩しさや紫外線から目を守るために、UVカットのサングラスを使うのもおすすめです。また、目が乾くと光が散らばりやすくなるため、もらった目薬を決められた通りに正しく使いましょう。
夜の運転で注意すること
ICLの後は、夜に車を運転するとき、対向車のヘッドライトや街灯が眩しく感じたり、光の輪が見えたりすることがあります。
特に手術から1か月くらいの慣れていない時期は、夜のドライブや雨の日の運転はなるべく控えるのが安全です。どうしても夜に運転する必要がある場合は、眩しさを和らげる「夜間専用のメガネ(薄い色のサングラス)」を使うのもひとつの方法です。
見え方に不安があるときは、無理をして運転しないようにしてください。
ICLで目が光ることに関するよくある質問

ICLを考えている方からよくいただく質問に、分かりやすくお答えします。
Q1:ICLを受けたことは他人にバレますか?
A1:普段の生活で、周りの人に気づかれることは基本的にありません。
レンズは黒目の後ろ側に入るため、外からは見えません。目が変に光ることもないので、自分から話さない限りバレる心配はほとんどありません。
Q2:ICLで目の色や黒目の大きさは変わりますか?
A2:目の色も、黒目の大きさも全く変わりません。
レンズは透明で色もついていません。元の目の見た目のままなので安心してください。
Q3:ICLのあとの光の輪は一生消えないことがありますか?
A3:光の輪ができる仕組み自体は残りますが、脳が慣れて気にならなくなることがほとんどです。
レンズに小さな穴がある限り、光の輪ができること自体は変わりません。しかし、数か月すると脳が「この見え方が当たり前」と学習して、普段は意識しなくなっていきます。
Q4:ICLとレーシックでは光の見え方が違いますか?
A4:どちらも光が眩しく感じることがありますが、見え方に少し違いがあります。
レーシックは角膜(目の表面)を削るため、光が全体的にふんわり広がるように見えやすいです。一方、ICLはレンズの穴の影響で「くっきりとした輪っか状の光」が見えやすいという特徴があります。
まとめ|ICLによる目の見た目と光の見え方を正しく理解しよう

ICL手術を受けても、周りの人から見て「目がキラキラ光る」「レンズが入っている」と気づかれることはありません。レンズは黒目の後ろにきれいに隠れるため、普段の見た目は手術前と変わりません。
一方で、ご自身の見え方として、夜に光の輪が見えたり眩しく感じたりすることがあります。これはレンズの構造によるもので、多くの人は数か月で脳が慣れて気にならなくなっていきます。
見え方に不安を残さないためには、手術の前に自分の目の特徴をしっかり検査してもらうことが大切です。
東京都豊島区池袋にある「大沢眼科」では、ICLをご検討中の方に丁寧な事前検査とカウンセリングを行っています。暗い場所での瞳の大きさなど、一人ひとりの目の状態に合わせて、分かりやすく説明いたします。
「自分の目でもICLができるのかな?」「光の見え方についてもっと詳しく聞いてみたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献・参考資料
- Ring-shaped dysphotopsia associated with posterior chamber phakic implantable collamer lenses with a central hole.
著者:Erbil H. et al.
発表年:2017年
掲載誌:Acta Ophthalmologica
URL:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27678470/ - The Implantable Collamer Lens with a central port: review of the literature.
著者:Packer M.
発表年:2018年
掲載誌:Clinical Ophthalmology
URL:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6267497/ - Intraocular Implantable Collamer Lens with a Central Hole Implantation: Safety, Efficacy, and Patient Outcomes.
著者:Moshirfar M. et al.
発表年:2023年
掲載誌:Clinical Ophthalmology
URL:https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10046236/ - Subjective and objective changes in visual quality after implantable collamer lens implantation for myopia.
発表年:2025年
掲載誌:Frontiers in Medicine
URL:https://www.frontiersin.org/journals/medicine/articles/10.3389/fmed.2025.1543864/full - ICL研究会 公式サイト
発行元:ICL研究会
URL:https://icl-japan.net/