視力回復手術として注目を集める「ICL(眼内コンタクトレンズ)」。
メガネやコンタクトレンズの手間から解放される画期的な治療法ですが、ネットで検索すると「ICLはやめた方がいい」「ICLをして後悔した」というネガティブな言葉を目にすることもあります。
これから手術を検討している方にとって、このような評判は不安になりますよね。
なぜ「やめた方がいい」と言われてしまうのでしょうか。
ICLで後悔しないためには、魅力的なメリットだけでなく、リスクやデメリットについても正しく理解しておくことが極めて重要です。
本記事では、眼科医の視点から、ネット上のリアルな口コミを交えて「ICLはやめた方がいい」と言われる理由を徹底解説します。
さらに、後悔しやすい人と向いている人の特徴、安全に手術を受けるためのポイントまで分かりやすく網羅しました。
この記事を読めば、自分がICLを受けるべきかどうかが明確に分かります。
【基本情報】一般的にICLが選ばれている理由

現在、多くの患者様にICLが選ばれているのには、以下のような理由があります。
- 圧倒的な見え方の質の高さ
角膜を削らないため、歪みが少なく、鮮やかでクリアな視界が得られます。
- 強度近視や乱視にも対応
レーシックでは適応外となるような、強い近視や乱視の方でも治療が可能です。
- お手入れが不要で半永久的
一度目の中に入れれば、コンタクトレンズのような毎日の洗浄や付け外しの手間は一切ありません。
- ドライアイになりにくい
角膜の知覚神経をほとんど切断しないため、術後にドライアイが悪化するリスクが非常に低いです。
ICL(Implantable Collamer Lens)とは、目の中に小さなレンズを植え込んで近視や遠視、乱視を矯正する治療法です。日本語では「有水晶体眼内レンズ挿入術」と呼ばれます。
角膜をレーザーで削るレーシックとは異なり、角膜を削らずに目の負担を抑えて視力を回復できるのが大きな特徴です。また、万が一トラブルがあった場合や、将来別の目の手術を行う際には、レンズを取り出して元の状態に戻せる「可逆性」の高さも安心材料となっています。
ネット上で「ICLはやめた方がいい」と言われる理由5選

メリットの多いICLですが、なぜネットでは「やめた方がいい」という声が上がるのでしょうか。リアルな口コミと、それに対する眼科医としての解説をまとめました。
①見積もりをしたらHPに掲載されている金額と異なる
【ネット上の声】
「ICLの適正検査した後に見積もりしたら78万円でした。50~60万と思ってたから躊躇した」
【解説】
ホームページに掲載されている「最安料金」は、多くの場合「軽度の近視(乱視なし)」のケースです。実際には、近視の度数が強い場合や、乱視用のレンズが必要な場合、追加費用が発生して高額になることがあります。また、適応検査代や術後の定期検診・点眼薬の費用が別料金になっているクリニックもあるため、総額でいくらかかるのかを事前にしっかりと確認することが大切です。
当院大沢眼科では検査費や麻酔費用などを含めた金額をHP上でご案内しておりますので、改めて見積もりするということはございません。安心してご相談ください。
②ハロー・グレア残り続けるリスクがある
【ネット上の声】
「ICL手術から3ヶ月経ってもグレアが酷い、ハローはあるが気にならない」
【解説】
ハロー・グレアとは、夜間に街灯や車のヘッドライトを見た際、光の周囲に輪が見えたり(ハロー)、光がギラギラと眩しく広がって見えたり(グレア)する現象です。ICLのレンズの構造上、術後はほぼすべての人に現れます。多くの場合は数ヶ月から半年ほどで脳が慣れて気にならなくなりますが、人によっては数年経っても残り続けるリスクがあります。
③自分の予想より視力が良くならない
【ネット上の声】
「1.5になりたかったのに術後1週間後の結果が1.2と1.0で思ったより見えない。今後もっと見えるようになるかもしれないが。」
【解説】
「手術をすれば誰もが1.5や2.0まで見えるようになる」というのは誤解です。ICLの目標視力は、術前の適応検査に基づき、患者様のライフスタイル(デスクワーク中心か、運転が多いかなど)に合わせて設計されます。また、傷口の治り方によって術後数週間は視力が変動することもあるため、医師と事前に「どの程度の見え方を目指すか」のゴールを共有しておくことが欠かせません。
④老眼による視力の低下は避けられない
【ネット上の声】
「ICLの手術をしてから3年がたったけど術後1.2→0.8まで下がってた。もちろん保障外。メガネやコンタクトがいらないから手術したことに後悔はないけど。」
【解説】
ICLは近視を矯正する手術であり、目のアンチエイジング(老化を防ぐ治療)ではありません。そのため、40代以降に誰もが直面する「老眼(手元が見えにくくなる現象)」の進行を止めることはできません。また、元々強い近視だった人がICLで遠くが完璧に見えるようになると、かえって老眼を早く自覚しやすくなる(手元が見えにくく感じる)という特徴もあります。
⑤白内障を発症した場合レンズを入れ替える可能性がある
【ネット上の声】
「眼科医の先生に『ICLは出来るけど、将来白内障手術になったら埋め込んだレンズを取り出さなきゃいけないよ』って言われた」
【解説】
年齢を重ねて「白内障(目のレンズである水晶体が白く濁る病気)」を発症した場合、白内障の手術(濁った水晶体を取り除き、人工のレンズを入れる手術)を行う必要があります。その際、過去に入れたICLレンズは一度取り出すことになります。ただ、これはICLが失敗したわけではなく、将来的な目のケアとして自然な流れであり、レンズを取り出せる(元に戻せる)というICLのメリットがあるからこそ可能な対応です。
⑥ICLによる白内障や緑内障が発症するリスクがある
【ネット上の声】
「ICLやった友人が、白内障だけでなく緑内障まで併発してしまったらしい。」
【解説】
非常に稀ではありますが、ICLレンズが目の中の組織(水晶体など)に擦れたり、目の中の水(房水)の流れを阻害したりすることで、20代・30代であっても誘発性の白内障や緑内障(眼圧上昇)を引き起こすリスクがありました。
ただし、現在の最新レンズ(ホールICL)は中央に小さな穴が空いており、水流が維持されるため、これらのリスクは過去に比べて劇的に低下しています。
ICLで後悔しやすい人の特徴

ネットの口コミから分かる通り、ICLを受けて「後悔した」と感じてしまう人には共通する特徴があります。
①夜間運転が多い人
仕事や趣味で、夜間に車やバイクを運転する機会が多い人は注意が必要です。先述したハロー・グレア現象により、対向車のヘッドライトや信号の光が眩しく感じられ、運転に支障をきたしたり、強いストレスを感じたりして後悔するケースがあります。
②見え方に完璧を求める人
「わずかなズレも許せない」「絶対に左右対称で1.5以上の視力が欲しい」など、完璧な見え方を期待しすぎる人は後悔しがちです。人間の目は機械ではないため、体調による変動や、わずかな乱視の残存などは起こり得ます。「メガネやコンタクトなしで快適に生活できるレベル」を目標にできないと、不満が残る原因になります。
③費用をできるだけ抑えたい人
ICLは自由診療(保険適用外)のため、両目で数十万円という大きな費用がかかります。「高額なお金を払ったのだから、完璧な目にならなければ納得いかない」という心理が働きやすく、術後のちょっとした違和感に対しても「やめた方がよかった」とコスト面での後悔に繋がりやすくなります。
④術後の定期検診を負担に感じる人
ICLは「手術して終わり」ではありません。経過観察や合併症の早期発見のために、術後翌日、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、そしてその後も年1回程度の定期検診が必要です。この通院の手間や検診費用を面倒に感じてしまう人は、ICLに向いていないと言えます。
⑤老眼年齢に近い人
40代以降の老眼が始まりつつある年齢、または数年後に老眼を迎える年齢の方は注意が必要です。遠くが非常によく見えるようになった反面、スマホや本の文字などの「手元の見えにくさ」が際立ってしまい、「結局、老眼鏡が必要になって後悔した」というケースが少なくありません。
逆にICLが向いている人とは?

一方で、以下のような特徴を持つ方にとって、ICLは人生の質(QOL)を大きく向上させる最高の投資となります。
①強度近視の人
近視が非常に強い方は、レーシックでは角膜を削る量が多すぎて手術が受けられないことがほとんどです。しかし、ICLであれば度数の強さに関係なく、角膜を一切削らずに安全にクリアな視界を手に入れることができます。
②角膜が薄くレーシック不適応の人
生まれつき角膜が薄い方や、角膜の形状に歪みがある方はレーシックが受けられません。ICLは角膜の厚みや形状に影響を受けないため、レーシックを断られて諦めていた方にとって最適な選択肢となります。
③ドライアイが気になる人
普段からコンタクトレンズによる乾きやゴロゴロ感に悩まされている方にもICLはおすすめです。レーシックのように角膜の神経を傷つけないため、術後にドライアイが悪化する心配がほとんどなく、コンタクトの不快感から解放されます。
④長期的な視力安定を重視したい人
レーシックの場合、術後に数%の割合で視力が再び低下する「近視戻り」が起こることがあります。しかしICLは、レンズによって光の屈折を固定するため、長期的にも視力が低下しにくく、安定した視力を長く維持したい方に適しています。
ICLは危険?安全性について解説

目の中にレンズを入れると聞くと「本当に安全なの?」と危険性を心配される方も多いでしょう。ICLの安全性について解説します。
過去のICLと現在のICLの違い
初期のICL(2014年以前)は、レンズに穴が空いていなかったため、目の中の水(房水)の流れが滞り、白内障や緑内障を誘発するリスクが一定確率で存在していました。しかし、現在のICLはレンズの中央に0.36mmの微小な穴が空いた「ホールICL(穴あきレンズ)」へと進化しています。
現在のICLの安全性
この「ホールICL」の登場により、目の中の水の流れが自然に保たれるようになり、白内障のリスクはほぼゼロにまで激減しました。厚生労働省からも正式に承認されており、世界70カ国以上で承認・実施されている世界水準の安全性が確立された手術です。
リスクを減らすために重要なこと
どれだけ医療が進化しても、手術である以上リスクはゼロにはなりません。リスクを最小限に抑えるために最も重要なのは、「事前の綿密な適応検査」と「術後の点眼・衛生管理の徹底」です。これにより、感染症やレンズのサイズ不一致によるトラブルを未然に防ぐことができます。
ICLで失敗しないために重要なポイント
ICLで後悔せず、理想の視力を手に入れるためには、クリニック選びと事前の準備がすべてと言っても過言ではありません。
適応検査をしっかり受ける
ICLが成功するかどうかは、事前の適応検査の精度にかかっています。目の奥行き、角膜の形、細胞の数などを複数の高精度な機械で測定し、あなたに最適なレンズの度数やサイズを決定します。少しでも目に不安要素がないか、時間をかけて丁寧に検査を施してくれるクリニックを選びましょう。
ICL認定医を選ぶ
ICLは、開発元であるSTAAR Surgical社の認定を受けた医師しか執刀することができません。クリニックを探す際は、必ず「ICL認定医」が在籍しているか、そして実際に執刀をサポートしてくれるかを確認してください。
症例数が豊富で良質なクチコミが多いクリニックを選ぶ
経験豊富な医師ほど、患者様一人ひとりの目の特徴に合わせた柔軟な診断や、万が一の際の適切な処置が可能です。症例数の多さは信頼の証です。また、実際にそのクリニックで手術を受けた人のリアルな口コミ(良い点だけでなく、対応の丁寧さなど)も参考にしましょう。
術後フォロー体制を確認する
術後の定期検診の費用はプランに含まれているか、万が一レンズの度数変更や位置調整が必要になった場合の「再手術無料期間」などのアフターケア(保証制度)が充実しているかを事前に確認しておくことが、将来の安心に繋がります。
まとめ|ICLは「向いている人」にとって満足度の高い治療

ICLにはメリット・デメリットの両方がある
裸眼で過ごせる快適さや見え方の質の高さという大きなメリットがある反面、費用面や夜間のハロー・グレア、将来的な老眼などのデメリット・リスクも存在します。
大切なのは自分に適しているかどうか
「やめた方がいい」というネットの声に惑わされる必要はありません。ご自身のライフスタイルや年齢、目の状態にICLが適しているかを客観的に判断することが大切です。
信頼できるクリニックで適応検査を受ける重要性
後悔しないための第一歩は、プロの眼科医による精密な適応検査を受け、正確なデータを出すことです。
不安がある場合はまず無料相談や適応検査がおすすめ
当院(東京・池袋の大沢眼科)では、ICLのメリットだけでなくリスクも含め、患者様お一人おひとりに寄り添って丁寧にご説明いたします。少しでも不安や疑問がある方は、まずは無料相談や適応検査へお気軽にお越しください。