近視や乱視を矯正する手術として注目を集めるICL(眼内コンタクトレンズ)。いざ手術を考えたとき、一番気になるのはやはり費用のことではないでしょうか。「健康保険は使えるのだろうか」「数十万円という大きな出費を少しでも抑える方法はないか」と疑問や不安を抱くのは当然のことです。
最初に結論をお伝えすると、ICL手術は原則として公的医療保険の適用外(自由診療)となります。窓口で健康保険証を提示しても1〜3割負担にはならず、費用は全額自己負担です。公的制度である「高額療養費制度」や、民間保険の「先進医療特約」も一般的には利用できません。
しかし、諦める必要はありません。公的医療保険が使えない一方で、「医療費控除」を活用して税金の負担を軽減できる可能性や、「民間の生命保険・医療保険」から手術給付金を受け取れるケースが存在します。利用できる制度や具体的な軽減額は個人の所得や保険の契約内容によって異なりますが、仕組みを正しく知っておくことで負担を大きく抑えられる場合があります。
この記事では、公的医療保険と民間保険、医療費控除の違いから、実際の節税シミュレーション、確定申告の手続きまで詳しく解説します。
結論|ICLは健康保険の適用外

ICL(Implantable Collamer Lens)は、目の中に小さなレンズを挿入して視力を矯正する治療法です。費用面の制度について、まずは基本的な結論を整理しておきましょう。
ICLは自由診療のため原則全額自己負担
公的な医療保険が適用される診療を「保険診療」と呼ぶのに対し、保険が適用されない診療を「自由診療」と呼びます。ICLは国が定める保険診療の対象に含まれていないため、自由診療として扱われます。公的な補助が出ないため、治療にかかる費用は原則として全額を患者ご自身で支払う必要があります。
健康保険証を使った1〜3割負担にはならない
日常の病気やケガで眼科にかかる際は、健康保険証を提示すれば自己負担が1割〜3割で済みます。しかし、自由診療であるICLの手術費や関連する検査費に健康保険証を使うことはできません。かかった費用の10割(全額)を自己負担することになります。
高額療養費制度も原則として利用できない
高額療養費制度とは、1ヶ月間に医療機関の窓口で支払った金額が一定の上限を超えた場合に、超えた分が支給される公的な制度です。この制度は「保険診療」に対して適用される仕組みであるため、自由診療であるICLの費用は集計の対象外となります。いくら高額になっても、高額療養費制度によってお金が戻ってくることはありません。
医療費控除や民間保険を利用できる場合がある
公的医療保険のサポートを受けられない一方で、別の制度で負担を軽減できるルートが残されています。それが国の税制である「医療費控除」と、ご自身で加入している「民間の生命保険や医療保険」です。公的医療保険とは全く異なる仕組みですが、これらを活用することで実質的な自己負担額を下げる効果が期待できます。
ICLに利用できる制度・利用できない制度

費用面に関わる制度は、大きく分けて「公的医療保険」「民間保険」「税制」の3つに分かれます。それぞれの違いとICLにおける適用状況を一覧で比較してみましょう。
| 制度名 | ICLへの適用 | 制度の概要 | 利用するための手続き | 誰に確認するか | 主な注意点 |
| 公的医療保険 | ✕ 適用外 | 医療機関での窓口負担を1〜3割に軽減する制度 | 医療機関の窓口で健康保険証を提示 | 全国健康保険協会(協会けんぽ)や健康保険組合 | 自由診療であるICLには一切適用されない |
| 高額療養費制度 | ✕ 適用外 | 1ヶ月の医療費が自己負担限度額を超えた場合に超過分が戻る制度 | 保険者へ事前申請または事後請求 | ご加入の健康保険組合や市区町村の窓口 | 保険診療の費用のみが対象のためICLは対象外 |
| 先進医療特約 | ✕ 一般に対象外 | 厚生労働省が指定する「先進医療」の費用を補填する民間保険の特約 | 保険会社への給付金請求手続き | 各生命保険会社・損害保険会社 | ICLは先進医療の指定から外れているため原則対象外 |
| 民間の生命保険・医療保険 | △ 契約による | 疾病や手術に対して契約内容に応じた給付金が支払われる制度 | 医師の診断書等を用意し保険会社へ請求 | 加入している生命保険会社・損害保険会社 | 商品名、加入時期、約款の規定によって給付可否が分かれる |
| 医療費控除 | ◯ 原則対象 | 年間の医療費が一定額を超えた場合、所得から差し引いて税金を軽減する制度 | 翌年の2月16日〜3月15日頃に確定申告を行う | 管轄の税務署や税理士 | 支払った費用が全額キャッシュバックされるわけではない |
このように、医療費負担を軽減する制度には複数の種類があり、役割が異なります。公的医療保険は窓口負担そのものを減らす制度ですがICLでは使えません。民間保険は契約に基づいて現金給付を受ける仕組み、医療費控除は確定申告を通じて納める税金(所得税や住民税)を減らす仕組みです。
ICLの費用はいくらかかる?

自由診療であるICLを検討する際は、提示されている金額の中に何が含まれているかを確認することが極めて重要です。
ICLは自由診療のため料金が医療機関ごとに異なる
一般的なICLの費用相場は、両眼で約40万円〜80万円程度と幅があります。度数の強さや乱視の有無、医療機関が提供するサポート体制によって価格が変わります。単純な表面上の金額だけで比較するのではなく、どのような内訳になっているかをしっかり確かめましょう。
近視用ICLと乱視用ICLの料金差
ICLで使用するレンズには、近視のみを矯正するスタンダードなレンズと、乱視も同時に矯正する乱視用レンズ(トーリックレンズ)があります。乱視用レンズは特注に近い精密な構造をしているため、近視用レンズに比べて片眼あたり数万円、両眼で5万円〜10万円ほど高く設定されているのが一般的です。
適応検査費は手術料金に含まれているか
ICLを受ける前には、目の形や角膜の状態、視力を精密に調べる「適応検査」が必要です。この検査費用が手術料金に含まれているクリニックもあれば、適応検査代として数千円〜1万円程度を別途支払うシステムになっているクリニックもあります。
術後診察や薬代は含まれているか
手術後は、感染症予防のための抗生剤や炎症を抑える目薬を処方されます。また、翌日・1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後といった定期健診に通う必要があります。これらの薬代や術後定期健診の費用が「手術料金込み」になっているか、通院のたびに再診料が発生するのかも重要な比較ポイントです。
レンズ交換や再手術の保証範囲
万が一、術後に度数が合わなかった場合やレンズの位置調整が必要になった場合の「保証制度」も確認が必要です。「術後◯年間はレンズ交換・位置調整が無料」という保証が料金に含まれているかどうかも、クリニック選びの費用比較で欠かせません。
表示料金だけでなく総額を確認する
Webサイトに「ICL ○○万円〜」と大きく書かれていても、それが「片眼の料金」であったり、「近視の最安度数のみ」であったり、「検査代や薬代が別」であったりする場合があります。ご自身の目の状態(近視の度数や乱視の有無)で実際に支払うことになる「支払総額」を確認することが失敗を防ぐコツです。
| 費用項目 | 費用の概要と確認時のチェックポイント |
| 適応検査 | 術前に行う精密検査。初回無料のところもあれば有料のところもある |
| レンズ代 | 目の中に挿入するレンズ本体の費用。度数の強さで変動する場合がある |
| 手術代 | 執刀医による手術執刀および手術室の使用費用 |
| 薬代 | 術前・術後に使用する抗菌薬や抗炎症薬などの目薬・内服薬代 |
| 術後検診 | 術後翌日、1週間後、1ヶ月後などの定期検診費用。何年間含まれるか確認 |
| 乱視用レンズの追加料金 | 乱視矯正が必要な場合に発生する加算費用 |
| 位置調整 | 乱視用レンズなどが回転した場合に角度を直す再手術の費用 |
| レンズ交換 | 度数変更やサイズ変更が必要になった際の交換費用および保証期間 |
| 診断書 | 保険会社への給付金請求に必要な証明書の発行費用(1通数千円程度) |
| 保証期間 | 術後のトラブル対応や各種再手術が無料で受けられる適用期間 |
ICLは医療費控除の対象になる?

公的医療保険が使えないICLですが、国の税制である「医療費控除」を活用することで、納めた税金の一部が手元に戻ったり、翌年の税金が安くなったりします。
医療費控除は治療費を所得から差し引く制度
医療費控除とは、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた場合に、その超えた金額を「所得(課税の対象となる金額)」から差し引く(控除する)ことができる税制上の制度です。所得が減ることで、その年に納めるべき「所得税」と、翌年納める「住民税」の負担が軽減されます。
ICL手術は医療費控除の対象になる可能性がある
国税庁の指針において、「視力回復を目的としたオルソケラトロジーやLASIK(レーシック)手術、ICL(有水晶体眼内レンズ挿入術)などの費用」は、医師による診療や治療の対価として認められており、医療費控除の対象になります。自由診療であっても「目の機能を回復させる治療」とみなされるためです。
手術費がそのまま現金で戻る制度ではない
ここで非常に重要な注意点があります。医療費控除について「50万円支払ったから50万円が返ってくる」と誤解されることがありますが、これは間違いです。戻ってくる(あるいは軽減される)のは、「支払った医療費そのもの」ではなく、「減額された所得に対してかかっていた税金分の金額」です。
所得税の還付と翌年度の住民税軽減につながる
医療費控除を申告すると、2つのメリットがあります。1つ目は、すでに源泉徴収などで納め過ぎていた「所得税」が指定口座に振り込まれて戻ってくること(還付)。2つ目は、翌年度(6月以降)に支払う「住民税」が安くなることです。
会社員も確定申告が必要
会社員や公務員の方は、毎年年末に「年末調整」を行っていると思います。しかし、医療費控除は年末調整の手続きでは申請できません。会社員であっても、医療費控除の適用を受けるためには、翌年の2月16日〜3月15日頃の確定申告期間にご自身で確定申告(還付申告)を行う必要があります。
年末調整だけでは申請できない
「会社に領収書を出せば税金が安くなる」と考えている方もいますが、会社側で医療費控除の処理をすることはできません。個人で領収書や通院の記録を保管し、確定申告書を作成して税務署へ提出するプロセスが必要です。
ICLの医療費控除でいくら税負担が軽くなる?

具体的な数字を使って、いくつかのシミュレーションを行ってみましょう。ご自身のケースに近いものを参考にしてください。
手術費50万円の場合の計算例
【前提条件】
- ICL手術費:50万円
- その他の医療費:0円
- 保険給付金:0円
- 所得:200万円以上(控除下限10万円)
- 適用される所得税率:10%と仮定
- 医療費控除額の計算
- 50万円(医療費) – 0円(補填金) – 10万円 = 40万円(これが医療費控除額)
- 所得税の軽減(還付額の目安)
- 40万円 × 10%(所得税率) = 4万円
- 住民税の軽減(目安)
- 40万円 × 10%(住民税率一律) = 4万円
- 税負担軽減の合計目安
- 4万円 + 4万円 = 約8万円
このケースでは、確定申告を行うことで約8万円分の税負担が軽くなる計算になります。
手術費60万円の場合の計算例
【前提条件】
- ICL手術費:60万円
- 家族を含むその他の医療費:10万円(年間合計70万円の医療費)
- 保険給付金:5万円(民間保険から支給)
- 所得:200万円以上
- 適用される所得税率:10%と仮定
- 年間の医療費総額:60万円 + 10万円 = 70万円
- 補填された金額:5万円
- 差し引く金額:10万円
- 医療費控除額:70万円 – 5万円 – 10万円 = 55万円
- 所得税の軽減目安:55万円 × 10% = 5万5,000円
- 住民税の軽減目安:55万円 × 10% = 5万5,000円
- 合計軽減目安:5万5,000円 + 5万5,000円 = 約11万円
家族の医療費をまとめ、保険給付金を考慮しても、控除を活用することで約11万円の節税効果が見込まれます。
家族の医療費を合算した場合
医療費控除は、自分自身の医療費だけでなく、「生計を一(いつ)にする配偶者やその他の親族」の分もまとめて申告できます。「生計を一にする」とは、必ずしも同居している必要はなく、仕送りで生活している一人暮らしの学生や親なども含まれます。家族の中で最も所得(税率)が高い人がまとめて申告すると、より高い節税効果を得られるのがポイントです。
生命保険の給付金を受け取った場合
民間保険から給付金が出た場合は、必ず「対象となった人の医療費」から補填額を差し引きます。給付金の額を隠して確定申告すると不認可や追徴課税の対象となりますので、必ず正しく申告しましょう。
所得税率によって軽減額が変わる
日本の所得税は、所得が高くなるほど税率が上がる「累進課税制度」をとっています。税率は5%から45%まで7段階に分かれているため、まったく同じ金額のICL手術を受けても、申告する人の所得税率によって戻ってくる金額(軽減される金額)が変わります。
ICLは生命保険・医療保険の対象になる?

ご自身で加入している民間の生命保険や医療保険から、「手術給付金」が出るかどうか気になる方も多いでしょう。
契約によって手術給付金が出る場合がある
民間の保険から給付金が出るかどうかは、保険会社の種類や商品、契約した年代によって異なります。「自由診療だから一律で出ない」というわけではなく、約款(契約のルール)の規定によっては、十数万円〜数万円の手術給付金が支払われるケースがあります。
正式な手術名は「有水晶体眼内レンズ挿入術」
保険会社へ問い合わせたり診断書を依頼したりする際、単に「ICL」と伝えるだけでなく、正式な医学的名称である「有水晶体眼内レンズ挿入術(ゆうすいしょうたいがんないれんずそうにゅうじゅつ)」と伝える必要があります。保険会社の約款にはこの正式名称で記載されているためです。
日帰り手術でも給付対象になるか確認する
近年のICL手術は、入院を必要としない「日帰り手術」が主流です。ご自身の保険契約が「日帰り手術も給付対象とする契約」になっているか、「〇日以上の入院を伴う手術のみ対象」となっているかによって給付の可否が分かれます。
両眼手術の給付回数を確認する
ICLは両眼同時に行うのが一般的ですが、保険会社によっては「両眼で1回分の給付」とカウントする場合と、「右目・左目でそれぞれ1回ずつ(計2回分)」とカウントする場合があります。
加入時期や約款によって扱いが異なる
特に古い医療保険(2000年代半ば以前に加入したものなど)では、屈折矯正手術が給付対象に含まれている商品が一定数存在しました。一方で、近年の医療保険では「屈折矯正手術(レーシックやICLなど)は給付対象外」と明記されている商品が増えています。同じ保険会社であっても、加入時期によって対応が異なるのはこのためです。
手術前に保険会社へ確認する
給付金が出るかどうかは、実際に手術を受ける前にご自身で保険会社へ問い合わせて確認しておくのが一番確実です。事前に対象かどうかを知っておくことで、費用の準備や支払いの計画が立てやすくなります。
保険会社へ問い合わせるときの確認事項

保険カスタマーセンター等に電話する際、何をどう聞けばいいのか迷わないよう、確認すべき項目と問い合わせ用のテンプレートを用意しました。
手術名をどのように伝えるか
問い合わせの際は、「ICL」という略称とともに「有水晶体眼内レンズ挿入術」という正確な名称を伝えます。
手術給付金の対象か確認する
ご自身の加入している約款において、当該手術が給付対象(または手術手当金の支払い対象)に含まれているかを直接オペレーターに確認します。
診断書が必要か確認する
給付対象となる場合、請求手続きに医師の「診断書(証明書)」が必要か、あるいは「領収書や手術同意書のコピー」で代用できるかを確認しましょう。
保険会社指定の書式があるか確認する
診断書が必要な場合、保険会社独自の「指定フォーマット(所定用紙)」があることがほとんどです。あらかじめ取り寄せた上で、手術を行うクリニックに提出して作成を依頼することになります。
両眼手術の給付回数を確認する
同日に両眼を施術する場合、給付金が1回分になるのか、左右それぞれで2回分になるのかを明確に聞いておきましょう。
給付金額と請求期限を確認する
支給される場合の具体的な金額(または給付倍率)と、手術終了後いつまでに請求書類を出せばよいか(請求期限)を確かめます。
【保険会社への問い合わせテンプレート】
「お世話になっております。加入中の医療保険の契約内容について確認させてください。
近視(または乱視)の矯正を目的として、日帰りで『有水晶体眼内レンズ挿入術(ICL)』という手術を受ける予定です。
- 現在の契約で、この手術は給付金の対象になりますでしょうか。
- 対象となる場合、日帰り手術でも給付されますか。
- 両眼を同日に手術する場合、給付は1回分でしょうか、それとも両眼分になりますか。
- 請求に必要な書類(貴社指定の診断書書式が必要か等)と、請求期限を教えていただけますか。」
手術給付金を受け取った場合の医療費控除

保険会社から手術給付金を受け取れた場合、税金の確定申告(医療費控除)を行う際に特別な注意が必要です。
給付金は対象となった医療費から差し引く
計算式の解説でも触れましたが、医療費控除を計算する際、保険給付金などで補填された金額は「実際に支払った医療費」から差し引くルールになっています。
- ICL手術費用:50万円
- 生命保険からの給付金:10万円
- 差し引き後の自己負担:40万円(ここからさらに10万円を引いて控除額を算出)
給付金が手術費を超えた場合
めったにありませんが、特約などが重複していて「ICLの手術費(50万円)よりも多い給付金(60万円)」を受け取ったとします。この場合、あまった10万円を「他の病気でかかった医療費」から引く必要はありません。補填金の影響は「その病気・手術にかかった費用の額」が限度となり、他の医療費から差し引く必要はないというルールになっています。
余った給付金を他の医療費から差し引く必要はない場合がある
国税庁の取り決めにより、保険金による補填額の引き算は「支払った医療費の項目ごと」に行うこととされています。他の家族の虫歯治療費などから引く必要はありません。
申告時点で給付額が確定していない場合
翌年2月〜3月の確定申告の時点で、保険会社への請求手続き中で「いくら振り込まれるか確定していない」という場合があります。その場合は、給付される見込みの金額を予想して差し引いて申告します。
後から給付額が変わった場合の対応
申告後に確定した実際の給付額が、事前に見込んでいた金額と違っていた場合は、税務署に「修正申告」または「更正の請求」を行って税額を調整します。
ICLの医療費控除を申請する方法

医療費控除をスムーズに申請するための手順を5つのステップで解説します。初心者の方でも順番に進めれば難しくありません。
領収書と交通費の記録を残す
まずは準備段階です。クリニックから受け取った「手術費や検査費の領収書」は捨てずに大切に保管してください。また、通院に使った「電車・バスの利用日付、区間、片道/往復、運賃」をメモ帳やエクセルに記録しておきましょう。
医療費控除の明細書を作成する
確定申告書に添付するための「医療費控除の明細書」を作成します。国税庁のWebサイトから様式をダウンロードするか、確定申告書作成コーナーの画面上で、領収書の金額や通院費を支払先ごとに集計して入力します。
源泉徴収票などの情報を用意する
会社員の方は、12月頃に勤務先から配布される「給与所得の源泉徴収票」を用意します。申告書を作成する際、収入金額や源泉徴収税額を入力するために使用します。
e-Taxまたは税務署で確定申告する
準備ができたら、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用してスマホやパソコンからオンライン申請(e-Tax)を行うのが最も手軽です。画面の指示に従って数値を入力するだけで自動計算してくれます。オンライン環境がない場合は、作成した書類を印刷して管轄の税務署へ郵送するか、窓口へ持参します。
領収書を一定期間保管する
確定申告の際、医療費の領収書そのものを税務署へ提出する必要はありません(明細書のみ提出)。ただし、申告内容の確認のために税務署から提示を求められる場合があるため、確定申告期限の翌日から5年間はご自宅で領収書を保管しておく義務があります。
申告を忘れた場合の還付申告
「確定申告の時期(3月15日まで)を過ぎてしまった」「数年前に行ったICLの医療費控除を申請し忘れていた」という場合でも大丈夫です。税金を取り戻すための還付申告は、過去5年間までさかのぼって申請することができます。
ICLの費用を比較するときの注意点

ICLを受けるクリニックを選ぶ際、どうしても「安さ」に目が行きがちですが、費用を比較するときには以下の注意点を押さえておくことが重要です。
表示されている手術料金に含まれる範囲
Webサイトなどに提示されている金額が「両眼の金額か片眼の金額か」「レンズ代が含まれているか」を確認しましょう。
乱視用レンズの追加料金
乱視がある場合、近視用レンズの表示価格からさらに片眼数万円の追加費用が発生するクリニックが多くあります。ご自身の目の状態での価格を算出してもらう必要があります。
適応検査費とキャンセル時の扱い
適応検査が有料か無料かだけでなく、「検査後に手術を取りやめた場合に検査代やレンズ発注キャンセル料がかかるか」も事前に確認しておくと安心です。
術後検診の期間
手術後の検診が「1年間無料」なのか「3ヶ月間無料」なのかによって、その後に通院した際の費用負担が変わってきます。
再手術やレンズ交換の保証
万が一、術後にレンズの度数変更や位置調整が必要になった場合、保証期間内であれば無料で対応してもらえるかどうかも総費用に大きく影響します。
診断書の発行費用
生命保険会社への請求に必要な診断書の発行費用(一通あたり数千円〜1万円程度)は自由診療のオプション料金となるため、クリニックごとに価格が異なります。
安さだけで医療機関を選ばない
ICLは大切な目にレンズを挿入する精密な手術です。単純な価格設定の安さだけで決めるのではなく、執刀医の実績やカウンセリングの丁寧さ、アフターケア体制の充実度を含めて総合的に判断することが大切です。
大沢眼科のICL費用とサポート

池袋にクリニックを構える「大沢眼科」でのICL手術における費用体系と、患者ご自身にとってのサポート体制をご紹介します。
ICL手術費用に含まれる内容
大沢眼科のICL手術料金には、手術当日の執刀費・レンズ代だけでなく、術前・術後管理に必要な基本的なサポートが含まれています。明確な価格提示を行っているため、後から予期せぬ追加費用が発生する心配を減らし、支払総額を事前に把握しやすいメリットがあります。
近視用ICLと乱視用ICLの料金
- 近視用ICL(両眼): 520,000円(税込)
- 乱視用ICL(両眼): 580,000円(税込)
度数の強さによる追加料金は発生せず、近視用・乱視用の区分に応じた分かりやすい一律表示となっています。
適応検査と術後診察
- 適応検査費: 5,000円(税込)※手術を受けられる場合は手術費用に充当
- 術後定期検診: 手術後1年間は検診費用(翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後)が手術料金に含まれます。
術後のアフターケアが一定期間込みになっていることで、術後の経過観察に通院する際、毎回の診察料を気にする必要がありません。
医療費控除に必要な領収書の発行
大沢眼科では、手術費や検査費のお支払い時に公的な領収書を発行しています。医療費控除の確定申告や、5年間の自宅保管に必要な書類としてそのままお使いいただけます。再発行が難しい場合があるため、受け取った領収書は大切に保管してください。
保険請求用の診断書への対応
加入されている民間の生命保険や医療保険で手術給付金を請求される方向けに、保険会社指定フォーマットの診断書作成(有料:1通5,500円(税込))に対応しています。正式名称である「有水晶体眼内レンズ挿入術」としての記載を行います。
池袋で継続して術後検診を受けられる
池袋駅から徒歩圏内という立地にあるため、術後の定期検診や万が一の不調の際にも継続して通院しやすい環境が整っています。継続的なサポートを受けられることは、術後の安心感にもつながります。
ICLの保険適用に関するよくある質問

ICLの保険適用や費用に関して、よく寄せられる質問に一問一答形式でお答えします。
ICLは健康保険の対象ですか?
いいえ、ICLは公的医療保険の対象外(自由診療)です。
病気治療ではなく屈折矯正を目的とするため、保険給付の対象から外れています。費用は全額自己負担となります。
ICLは3割負担で受けられますか?
いいえ、窓口で健康保険証を提示しても1〜3割負担にはなりません。
自由診療のため10割全額が自己負担となります。
ICLに高額療養費制度は使えますか?
いいえ、高額療養費制度は利用できません。
高額療養費制度は「保険診療」の自己負担額を抑える仕組みであるため、自由診療であるICL費用は集計対象外となります。
ICLは先進医療特約の対象ですか?
一般的には対象外です。
ICLは厚生労働省が定める「先進医療」の枠組みに含まれていないため、民間保険の先進医療特約から給付金が出ることは原則としてありません。
ICLは医療費控除の対象ですか?
はい、医療費控除の対象になります。
国税庁の指針により、視力回復を目的としたICL(有水晶体眼内レンズ挿入術)は「医師による治療の対価」と認められており、確定申告で申告が可能です。
医療費控除でいくら戻りますか?
支払った金額そのものが戻るわけではなく、所得税率や住民税率に応じた税額(数万円〜十数万円程度)が軽減されます。
具体的な還元額は、手術費用、他の医療費、保険給付金の有無、申告される方の所得によって異なります。
会社員でも確定申告が必要ですか?
はい、会社員であっても確定申告が必要です。
医療費控除は会社の年末調整では手続きできません。ご自身で翌年2月〜3月に確定申告(還付申告)を行う必要があります。
家族の医療費と合算できますか?
はい、生計を一にする配偶者や家族の分を合算して申告できます。
同じ年に支払った家族全員の医療費や薬代をまとめて申告することが可能です。
電車やバスの通院費も申告できますか?
はい、通院にかかった公共交通機関の運賃は対象になります。
適応検査や術後検診で利用した電車・バスの移動日・区間・運賃をメモに残しておき、医療費控除の明細書に含めて申告します。
タクシー代は医療費控除の対象ですか?
原則として対象外ですが、やむを得ない事情がある場合は認められることがあります。
「夜間で電車がない」「術後で自力歩行が困難」など、客観的にタクシー利用が不可欠と判断されるケースに限られます。
駐車場代やガソリン代は対象ですか?
いいえ、自家用車のガソリン代やコインパーキング代は対象外です。
通院手段であっても、自家用車にかかる経費は税務上認められていません。
生命保険の手術給付金は受け取れますか?
加入している保険商品の約款や契約時期によります。
「有水晶体眼内レンズ挿入術」が給付対象に含まれる契約であれば給付金を受け取れる場合があるため、事前に入金元の保険会社へ確認が必要です。
保険会社には何という手術名を伝えますか?
「有水晶体眼内レンズ挿入術(ゆうすいしょうたいがんないれんずそうにゅうじゅつ)」と伝えてください。
ICLの正式な医学的名称を伝えることで、保険会社側でスムーズに対象可否を照会できます。
給付金を受け取ると医療費控除額は減りますか?
はい、受け取った給付金は医療費から差し引いて計算します。
医療費控除の計算式「支払った医療費 – 補填された給付金 – 10万円」に従って申告します。
医療ローンでも医療費控除を受けられますか?
はい、医療ローンを利用した年(信販会社が立替払いした年)に総額を申告できます。
ただし、ローンに伴う金利や分割手数料の分は医療費控除の対象から除外して計算します。
クレジットカードの分割払いでも申告できますか?
はい、カード決済を行った年の医療費として申告できます。
こちらも医療ローン同様、分割手数料分は除き、手術本体価格のみを申告対象とします。
まとめ|ICLは保険適用外でも確認できる制度がある

ICLは公的医療保険の対象外(自由診療)であるため、健康保険証を使った3割負担や高額療養費制度を利用することはできません。そのため、提示される手術費用は全額自己負担となるのが原則です。
しかし、以下の制度や手順を一つずつ確認していくことで、実質的な経済的負担を軽減できるルートが存在します。
- 医療費控除の活用: 確定申告を行うことで、所得税の還付や翌年の住民税の軽減を受けられる可能性がある
- 民間保険の確認: 加入している生命保険や医療保険の約款を確認し、「有水晶体眼内レンズ挿入術」が給付対象か問い合わせる
- 費用の総額把握: 手術費用だけでなく、適応検査費、術後検診、保証期間、薬代を含めた「総額」で確認する
- 記録の保管: 支払った領収書や、通院にかかった電車・バスの交通費を忘れずに記録しておく
ICLは健康保険の対象ではありませんが、医療費控除や民間保険の手術給付金によって、負担を軽減できることがあります。手術を決める前に、クリニックの総費用、加入している保険の契約内容、確定申告に必要な書類を一つずつ確認しておくと安心です。