ICL(眼内コンタクトレンズ)の手術を控えている方や術後の方は、「保護メガネはいつまでつけなければいけないのだろう?」と疑問に思っていませんか。
ICL術後の保護メガネは、一般的に「手術当日〜術後1週間程度」までの着用が目安とされています。
ただし、目の回復スピードには個人差があり、クリニックや医師の考え方によっても指導が異なる場合があります。ご自身の判断で途中でやめず、必ず担当医の指示を守りましょう。
この記事では、保護メガネが必要な期間や着用理由、寝るときの対応、普通のメガネで代用できるかについて分かりやすく解説します。
ICL術後の保護メガネはいつまで必要?

ICLの手術を受けた直後は、目がとてもデリケートな状態です。ここでは、日中や就寝時など、場面ごとの保護メガネの着用期間について解説します。
日中・外出時の着用期間
日中や外出時の保護メガネは、術後1週間程度着用するのが一般的です。
手術でつくった小さな傷口がふさがるまでの間、空気中のホコリや花粉、風、手に付いたばい菌などが目に入るのを防ぐ役割があります[1]。仕事中や外出時も、医師から許可が出るまでは指示どおり着用を続けましょう。
寝るときの着用期間
就寝時の保護メガネ(または保護用アイパッチ)も、術後1週間程度着用することが推奨されています。
寝ている間は、無意識のうちに手を顔に近づけたり、枕や布団に目を押し付けたりしてしまうおそれがあります。目を圧迫したり、無意識にこすったりする事故を防ぐために、寝るときも忘れずに着用してください。
保護メガネを外してよいタイミング
保護メガネを外してよいかどうかは、術後の定期検診で医師が目の傷口の状態を確認して判断します。
「もう痛みがないから」「見え方が落ち着いたから」といってご自身の判断で外すのは危険です。一般的な着用スケジュールを以下の表にまとめました。
| 場面 | 着用の目安期間 | 主な目的 |
| 日中・外出時 | 術後〜1週間程度 | ホコリ・異物・細菌の侵入防止、手の接触予防 |
| 就寝時 | 術後〜1週間程度 | 無意識の目のこすり・圧迫の防止 |
| 屋外の強い光 | 医師の指示期間 | 眩しさ(畏光感)の軽減・光からの保護 |
※回復の経過によって期間が延びる場合もあります。必ず主治医の指示に従ってください。
ICL術後に保護メガネが必要な3つの理由

「なぜ保護メガネをつけなければいけないの?」と疑問に思うかもしれません。これには、手術後の目を守るための大切な理由があります[1][2]。
目をこすったりぶつけたりするのを防ぐ
ICLの手術では、角膜(目の表面)に約3ミリの小さな切れ目を入れてレンズを入れます[1]。
手術のあとしばらくは、傷口が完全に閉じていません。この時期に目を強くこすったり、物や手がぶつかったりすると、傷口が開いてしまったりレンズの位置がずれたりする危険があります[1][3]。保護メガネは、物理的な衝撃から目を守る「盾」の役割を果たします。
ホコリや異物から目を守る
風に乗って飛んでくるホコリやゴミ、砂ぼこりなどが目に入ると、強い痛みが起きたり目を傷つけたりする原因になります。
保護メガネをかけることで、目に入る空気の流れを遮り、小さな異物が直接目に入るリスクを減らすことができます。
術後の目のトラブルを防ぐため
手術後の傷口からばい菌が入ると、目の中で炎症が起きる「眼内炎(がんないえん)」という重いトラブルにつながるおそれがあります[1][3]。
保護メガネを着用し、手に付いた細菌が目に触れるのを防ぐことは、このような術後の大きなトラブルを未然に防ぐために重要です[1]。
ICL術後の保護メガネは普通のメガネで代用できる?

「普段使っているメガネやサングラスで代用してもいいの?」と質問されることがあります。結論から言うと、代用できるかどうかはメガネの形状と医師の判断によります。
度なしメガネ・伊達メガネの場合
フレームの小さい度なしメガネや伊達メガネは、代用として不十分な場合があります。
隙間が多く、横や上下からホコリや指が入ってしまう可能性があるためです。安全性が確保できるかどうかの判断は、受診時に医師へご相談ください。
サングラス・花粉対策メガネの場合
花粉症対策用のメガネのように、目の周りにフード(カバー)がついていて隙間が少ないタイプのものであれば、保護メガネの代わりとして認められるケースがあります。
ただし、レンズの色が濃すぎるサングラスは、暗い場所で転倒する危険や、光の調整で目(瞳孔)が開いて負担がかかる場合もあります。手持ちのものを利用したい場合は、あらかじめクリニックで確認を受けておくと安心です。
保護メガネの選び方
手術後に新しく保護メガネを用意する場合、以下のポイントを意識して選ぶとよいでしょう。
- 目の周りに隙間が少ないデザイン(サイドガード付き)
- 透明で視界が広く、室内でも暗くならないレンズ
- 軽量で、長時間の着用でも耳や鼻が痛くなりにくいもの
ICL術後に保護メガネをつけないとどうなる?

もし保護メガネをつけずに過ごしてしまうと、思わぬトラブルが発生するリスクが高まります。
無意識に目をこすって傷口が開いてしまったり、異物や細菌が入って強い炎症を起こしたりするおそれがあります[1][3]。
保護メガネを外してしまった場合の対処法
万が一、うっかり保護メガネを外してしまったり、ずれてしまったりした場合は、あわてず次のように対応しましょう。
- 絶対に目をこすらない・触らない
- 手をきれいに洗って消毒する
- 鏡を見ながら、目を圧迫しないように静かにメガネをつけ直す
もしメガネがずれた際に指や衣服が直接目に触れてしまった場合は、目をこすらずに様子を観察してください。
眼科への相談・受診が必要な症状
もし保護メガネを外したあとに、次のような症状が現れた場合は、我慢せずに速やかに手術を受けた眼科へ連絡してください。
- 激しい目の痛みや、急に強くなった痛み
- 急激な視力の低下、全体がかすんで見える症状
- 充血が急にひどくなった場合
- 目やにが大量に出る場合
ICL術後の保護メガネに関するよくある質問
仕事中も着用する必要がありますか?
はい、医師から許可が出るまでは仕事中も着用してください。
特にパソコン作業による目の乾燥や、オフィス内のエアコンの風、ほこりなどから目を守るためにも着用が必要です。
保護メガネは病院でもらえますか?
多くの眼科クリニックでは、ICL手術の費用に専用の保護メガネ代が含まれており、手術当日にお渡しします。
ご自身で準備が必要か、クリニックから提供されるかは、事前のカウンセリングで確認しておくとスムーズです。
保護メガネをつけたまま入浴できますか?
入浴や洗顔、洗髪については、手術後数日間制限されるのが一般的です。
首から下のシャワーが許可されている期間であっても、保護メガネを付けたまま顔に水やお湯をかけるのは避けてください。隙間から水やシャンプーが入る危険があります。洗顔や洗髪の開始時期は必ず医師の指示に従ってください。
保護メガネがずれたり曇ったりした場合はどうすればよいですか?
マスクの着用などでレンズが曇る場合は、マスクの鼻部分をしっかり密着させるか、メガネ用のくもり止め(固形やクロスタイプ)を活用してください。
ずれてしまう場合は、バンドやフレームの調整が必要なことがありますので、無理に引っ張らず清潔な手で整えてください。
まとめ|ICL術後は医師の指示に従って目を保護しましょう

ICL術後の保護メガネについて、大切なポイントをまとめます。
- 保護メガネの着用期間は「術後1週間程度」が一般的な目安
- 目をこする・ぶつけるなどの物理的刺激や、異物・細菌の進入を防ぐために必要
- 代用品や外すタイミングは自己判断せず、必ず主治医の指示に従う
ICLは、毎日のコンタクトレンズやお着替えの手間から解放され、クリアな視界を得られる素晴らしい治療法です。だからこそ、手術後のわずかな期間の保護ケアをしっかり行うことが、末永く健やかな目を保つカギとなります。
東京都豊島区池袋にある「大沢眼科」では、ICL手術の事前検査から術後のアフターケアまで、お一人おひとりの目の状態に合わせた丁寧な診療を行っております。
「自分の生活スタイルで保護メガネはどう使えばいい?」「ICLの手術に不安がある」という方は、ぜひ一度、大沢眼科の適応検査・事前カウンセリングへご相談ください。
参考文献・医学的根拠一覧
- 屈折矯正手術のガイドライン(第8版)
- 発行機関: 日本眼科学会 屈折矯正手術ガイドライン等検討委員会(2021年)
- URL: https://www.nichigan.or.jp/member/journal/guideline/detail.html?dispmid=909&itemid=700
- 該当内容: 有水晶体眼内レンズ(ICL)挿入術における角膜切開の手技、術後感染症(眼内炎)のリスクおよび機械的刺激からの術後眼保護の重要性。
- 有水晶体眼内レンズ(Phakic IOL)医療情報
- 発行機関: 公益社団法人 日本眼科学会(一般向け目の病気・治療解説)
- URL: https://www.nichigan.or.jp/public/disease/treatment/tabid357.html
- 該当内容: ICL手術の基本構造(角膜切開およびレンズ挿入)および術後管理の基本概念。
- 後房型有水晶体眼内レンズ Implantable Collamer Lens(ICL)の臨床成績と術後管理
- 発行機関: 日本眼光学学会誌 / 関連学術論文情報(J-STAGE収載資料等)
- 該当内容: ICL術後早期における創部開大リスク、術後感染症防止のための眼表面・創部保護の必要性。