コラム
- ホーム»
- コラム<一覧>に戻る»
- 白内障とは
白内障とは
2025.10.24
眼の中には、カメラのレンズに相当する水晶体という組織があります。加齢などが原因で、水晶体が濁ってしまい、見え方に影響が出てしまった状態を、白内障といいます。水晶体が濁ってくると、光が通りにくくなり、見え方に影響が出ます。
白内障セルフチェック
□ メガネを新しくしても、あまり見え方が良くならない
□ 人の顔がはっきり分からない、表情が見えにくい
□ 字を読むのがつらくなった、新聞や本が見えにくい
□ 暗いところで見えにくくなった
□ テレビの字幕が見えづらい
□ ものがぼんやり、かすんで見える
□ 以前より目が疲れやすい
□ 人や物が二重に見えることがある
□ 近くは見えるのに、遠くが見えにくくなった
□ 晴れた日や夜のライトがまぶしく感じる
これらの症状は、少しずつ進むため「年のせいかな」と思われる方も多いですが、眼科で検査を受けることで、白内障かどうかを確かめることができます。気になる見え方の変化があれば、早めにご相談ください。
白内障の原因
・加齢(かれい)
白内障の主な原因は「加齢(年齢による変化)」です。年を重ねるにつれて、目の中に老廃物がたまりやすくなることや、水晶体の内部が酸化・糖化することなどが影響し、水晶体が少しずつ濁っていきます。このように加齢によって起こる白内障を「加齢性白内障」と呼びます。進行はゆるやかで、最初は軽いかすみやまぶしさから始まり、時間をかけてゆっくりと進んでいくのが特徴です。
・その他の原因
加齢以外にも、さまざまな要因で白内障が起こることがあります。
・アトピー性皮膚炎や糖尿病などの全身疾患が原因となる「併発白内障」
・生まれつきの体質や胎内感染などによって生後早期に発症する「先天(発達)性白内障」
・目のけが(外傷性白内障)や、薬の副作用(特にステロイド薬など)によって起こる白内障
これらの白内障は、年齢に関係なく発症する場合もあります。
白内障の進行と注意点
白内障はゆっくりと進行することが多く、すぐに危険な病気というわけではありません。しかし、放っておくと視力の低下が進み、生活の質(QOL)が下がってしまいます。さらに、手術を受けるタイミングが遅くなると、手術そのものが難しくなることもあります。
50歳を過ぎて老眼の症状が出始め、「最近見えづらい」「まぶしい」と感じるようになった方は、早めの受診と治療をおすすめします。まだ現役でお仕事をされている方にとっても、視力の不安を抱えながら生活することは大きな負担です。一日でも早くクリアな視界を取り戻すことが、人生の質を高める第一歩です。
白内障の治療について
白内障の治療には、薬による治療と手術による治療があります。
ただし、残念ながら一度濁ってしまった水晶体を透明に戻すお薬はありません。そのため、初期の段階では、濁りの進行を遅らせたり、緑内障など他の病気が合併しないように、目薬などで経過をみながら治療を行います。
手術を考えるタイミング
白内障は、症状の進行や生活への影響によって、治療方針が変わります。次のような場合には、手術による治療を検討する時期と考えられます。
□ 白内障による見えにくさが、日常生活に支障をきたしている場合
□ 視力が0.7未満となり、運転免許の更新が難しい場合
□ 精密作業や運転など、安全性・正確性が求められる仕事に支障が出ている場合
□ 進行が早い白内障が認められる場合
□ 他の目の病気(緑内障・糖尿病網膜症など)や持病があり、手術を先延ばしにするとリスクが高まると判断される場合
まとめ
白内障は誰でもなる病気です。白内障の治療は「生活の質(QOL)」を守るための治療です。すぐに焦る必要はありませんが、見え方に変化を感じたときこそ、受診のチャンスです。
「見え方が変わったかな」と感じたら、まず眼科へ。早めの診断が、快適な視界を長く保つ秘訣です。