コラム
- ホーム»
- コラム<一覧>に戻る»
- クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon® PanOptix® Pro)について
クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon® PanOptix® Pro)について
2025.12.15
2025年11月にクラレオンパンオプティックスプロ(Clareon® PanOptix® Pro)が、日本の薬事承認を取得し2026年春より国内での使用が可能になりました。
そもそもパンオプティックス(PanOptix)とは
パンオプティックス(PanOptix)は、2017年にヨーロッパで使われ始め、2019年に日本でも国の承認を受けた3焦点眼内レンズです。日本では、選定療養制度が始まってからしばらくの間、唯一選べる3焦点レンズだったこともあり、最も多く使われてきた実績があります。世界でも220万眼以上に使用されている、信頼性の高いレンズです。
さらに2022年には素材が改良され、最新疎水性アクリル素材であるクラレオン(Clareon®)を採用し透明性の向上やグリスニング(レンズ内部の微細な水泡)発生リスクの低減、レンズの長期の安定性が実現し、より完成度の高い多焦点眼内レンズへと進化しました。
クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon® PanOptix® Pro )の概要
クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon®PanOptix® Pro)は、従来の クラレオンパンオプティックス(Clareon®PanOptix® )を基盤に ENLIGHTEN® NXT 光学技術を新たに搭載し、光利用効率と視覚の質をさらに高めた改良モデルです。
🔹 94% の高い光利用率
回折光学系における理論上の最大光利用率96%です。
クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon®PanOptix® Pro)は、ENLIGHTEN® NXT 光学技術により94%の光利用率を実現したレンズです。これはレンズを通して有効に利用される光の割合で、従来の パンオプティックス(PanOptix® )の88%に比べて向上しています。
🔹 光の散乱が大幅に低減
クラレオンパンオプティックスプロ(Clareon®PanOptix® Pro) は、従来のパンオプティックス(PanOptix® )と比較して、光ロスの主因となっていた光散乱を約50%低減しています。
光散乱が抑えられることで、ハロー・グレア・スターバーストといった異常光視症の軽減が期待されます。
さらに、これまで散乱していた光を有効に視覚へ利用することで、コントラスト感度の改善や、より滑らかで自然な見え方の向上が期待されます。
具体的には、従来モデルでは弱点とされていた1m距離のコントラストが約16%向上し、あわせて40cm近方距離においても約4%のコントラスト向上が示されています。
2026年の春頃より使用可能
アルコン社の発表では、2026年春ごろより使用可能とのことです。
海外では乱視用もあるので同時期に使用が可能かもしれません。
大変期待ができるレンズだと思います。