👁️ 収差とは？

角膜やレンズの「中心」と「周辺」で屈折の強さが変わってしまうために起こります。

✔角膜は「正の球面収差」を持ち、角膜の周辺部を通った光ほど 手前でピントが合いやすいつまり“前ピン”になり、網膜にきれいに結ばれないです。

✔若い水晶体は「負の球面収差」を持ち、角膜とは逆で、光を奥側（網膜側）に送る性質です。

そのため、若い人では、角膜（＋）と水晶体（−）がうまく打ち消し合うため、ピントが綺麗に合いやすいです。

✔加齢で水晶体の性質が変わり、負→正に近づきます。➡「打ち消し」が弱くなり、➡ 像がぼやけやすくなります.

白内障手術で使う非球面IOLは、角膜の正の球面収差を補うために作られているために、コントラストが良くなる傾向があります。特に効果が出やすいのは、夜間運転など、瞳孔が開く条件の時です。

光は色によって曲がり方が違います（分散と呼びます）。
そのせいで、赤・緑・青でピント位置がずれる現象です
これにより、はっきり感（コントラスト）が低下する可能性があります。

色収差の強さは“Abbe数（アッベ数）”という値で決まります。Abbe数が大きいほど有利（色収差が小さい）です。

主な素材のAbbe数
PMMA：58
シリコーン：57
アクリソフ：37（やや色収差が大きい）
になります。

実はメリットもあると言われています。
ピント位置がずれることは、調節（ピント合わせ）の手がかりになる
色の違いによる立体感（色立体視）にも寄与するですので、「色収差を完全にゼロにしてしまうことが常に正しい」とは言い切れない、という考え方です。ただあまりありすぎると、被写体の輪郭に赤や青などの色のにじみ（色ずれ）が強く出てしまいます。

眼内レンズには単焦点でもそれぞれ特徴があり、また多焦点は複雑な構造です。収差だけでもレンズによって、会社によって考え方や設計がことなります。患者様の屈折状態や乱視の有無、角膜形状といった眼の特徴に加え、日常生活でよく使う距離やお仕事・趣味などの生活スタイルも細かくお伺いし、その方にとって最適な“見え方のバランス”を共に考えていきます。 使用する眼内レンズは、院長が実績や光学特性を踏まえて厳選した保険診療・選定療養・自由診療のレンズのみです。遠方重視、パソコン距離の快適性、近方作業のしやすさなど、それぞれの生活に合わせて最適な選択をご提案いたします。 手術当日には、万が一の症状変化にも迅速に対応できるよう、24時間院長と直接連絡が取れる体制を整えています。日帰り手術でも安心してお過ごしいただけるよう、細やかなサポートを大切にしています。